キャバクラのバック計算|店側のルールの決め方と計算例

約17分で読めます文:株式会社KOKU

キャバクラのバックは、**「何に(指名・売上・ドリンク・ボトル)」「何を元に(小計か、サービス料込みか)」「どう分けるか(ヘルプ・複数指名)」**の3つを決めれば、誰が計算しても同じ金額になります。計算が合わない原因のほとんどは、この3つのどれかが人によって違うことにあります。

この記事で分かること:

  • バックの種類と、それぞれの計算例
  • スライド制の「さかのぼり」と「超えた分だけ」の違い
  • 月末の給与までの流れと、計算ミスを減らす決め方

キャバクラ・クラブ・ラウンジ・ガールズバーの経営者・店長に向けて書いています。株式会社KOKUは、夜のお店向けの売上管理システム「ポッキリ.Night」を開発・提供しています。開発のために店舗の方から伺ったバックの決め方をもとに、どのお店でも使える整理の仕方をまとめました。計算例の金額はすべて説明のための仮の数字です。

バックとは?時給とはどう違う?

バックは、キャストが店の売上に貢献した分に応じて支払う歩合です。働いた時間に応じた時給とは別に、指名・ドリンク・ボトルなどの売上に連動して上乗せされます。

キャストに払う金額は、たとえば次のような形に分けられます。

部分 中身 決まり方
時給(または日給) 働いた時間への支払い 時給×働いた時間。売上や指名の数で時給が変わる店もある
バック 売上への貢献に応じた歩合 指名・売上・ドリンク・ボトルなどごとに計算
加算 本数の目標を超えたときのボーナスなど 月の本数や売上の段階で決まる
差し引き 日払いで先に渡した分・源泉徴収など 店のルールと税の決まりで決まる

時給を高くしてバックを抑える店もあれば、時給を抑えてバックを厚くする店もあります。どちらが正しいということはなく、店がキャストにどう働いてほしいかを表すのがバックの決め方です。たとえば指名を増やしてほしい店は指名バックを厚くし、ボトルを入れてほしい店はボトルバックを厚くします。

バックにはどんな種類がある?

よく使われるバックは、指名・売上・ドリンク・ボトル・ヘルプの5つに、スライド制・保証・本数の加算を組み合わせる形です。種類を並べると、自分の店で使っているものと使っていないものがはっきりします。

種類 何に払うか 決め方の例
指名バック 本指名・場内指名・同伴の1件ごと 1件につき1,000円/指名料の50%
売上バック 指名で付いた卓の売上 担当した卓の小計の10%
ドリンクバック キャストが頂いたドリンク 1杯につき500円/ドリンク代の30%
ボトルバック 入ったボトル ボトル代の10%を、メインとヘルプで分ける
セット・延長のバック 担当した卓のセット料金・延長 延長1回につき500円
ヘルプバック ヘルプで付いた卓 本指名のバックの50%
スライド制 月や半月の売上・本数に応じて率や時給が変わる 月の指名売上50万円以上で率が上がる
日給保証 バックが少ない日の下支え その日のバックと保証額の高いほう
本数の加算 月の指名本数が段階を超えたとき 月20本で5,000円を加算

同伴は、お客様と食事などをしてから一緒に来店する形で、同伴料を別に頂き、その一部か固定額をバックにしている店があります。同伴で来店したお客様が、そのまま本指名になることもあります。このとき同伴バックと本指名バックの両方を付けるのか、どちらか一方にするのかを決めておかないと、締めの担当者によって計算が分かれます。同伴の数を増やしてほしいなら両方、指名料と同伴料の二重取りを避けたいなら一方、というように、店の狙いに合わせて決めましょう。

同じ「指名バック」でも、1件いくらの固定額にする店と、指名料の何割にする店があります。指名料を値上げしたときにバックも連動させたいなら割合、値上げしてもバックは変えたくないなら固定額、というように、将来の料金改定まで考えて選ぶと後で困りません。

業態によって、バックの決め方はどう違う?

バックの中心になる種類は、業態によって違います。キャバクラは指名と売上、クラブやラウンジは担当の売上、ガールズバーはドリンク、スナックはボトルとドリンクが中心になりやすく、それに合わせて時給とのバランスも変わります。

業態 バックの中心になりやすいもの 決めるときの要点
キャバクラ 指名(本指名・場内・同伴)、売上、ドリンク、ボトル 種類が多いので、二重のバックと分け方の決まりが要る
クラブ・ラウンジ 担当のお客様の売上 担当(係)を誰にするか、担当が辞めたときの扱い
ガールズバー ドリンク、時給 ドリンクの種類ごとの単価と、時給の段階
スナック ボトル、ドリンク、時給 ママとスタッフの分け方、常連のお客様の扱い

クラブやラウンジのように担当制のお店では、お客様ごとに担当のキャストを決め、その方の売上にバックを付けます。担当のキャストが辞めたり休んだりした日の売上を誰に付けるかを決めていないと、担当の引き継ぎのたびにもめごとになります。

ガールズバーでは、カウンター越しの接客が中心で、指名の仕組みが無いお店もあります。その場合はドリンクバックと時給が報酬の中心になるため、ドリンクの種類ごとの単価と、バックを付けるドリンクと付けないドリンクをはっきりさせることが大切です。

スナックでは、ママが自分でお店を営み、スタッフに時給とドリンクバックを払う形がよく見られます。少人数のお店ほどルールが口約束になりやすいので、人数が少ないうちから紙に書いておくと、スタッフが増えたときに困りません。

計算の元は「小計」か「サービス料込み」か?

売上バックやボトルバックは、何に率を掛けるかで金額が変わります。小計(サービス料・税を足す前)に掛けるのか、サービス料を足した後に掛けるのかを、店のルールとして1つに決めてください。

同じ卓でも、計算の元が違うと次のように変わります(数字は例)。

計算の元 金額 売上バック10%の場合
小計(セット+指名料+ドリンク) 30,000円 3,000円
サービス料20%を足した後 36,000円 3,600円

1卓あたりの差は数百円でも、1か月・キャスト全員で合わせると大きな差になります。仮に1日に指名の卓が20卓あり、1卓あたりの差が600円なら、1日で12,000円、25日営業すれば1か月で300,000円の差です。小計にするかサービス料込みにするかは、お店がキャストに払う総額を左右する決めごとだと考えてください。どちらを選ぶかは店の考え方しだいですが、店長Aは小計、店長Bはサービス料込みで計算しているという状態が一番いけません。締めの数字がそろわず、キャストからの信頼も失います。

ボトルやドリンクでは、もう1つ「原価を引くかどうか」も決めておきます。高いボトルほど仕入れの値段も高いため、ボトル代そのものではなく、ボトル代から原価を引いた額に率を掛ける店もあります。

決めること 選び方 気をつけること
売上バックの元 小計/サービス料込み 全員・全店で同じにする
ボトルバックの元 ボトル代/ボトル代−原価 原価が変わったときにいつから反映するか
値引きした会計 値引き前/値引き後 値引きの理由(店の都合かお客様の都合か)で分ける店もある
売掛(ツケ)の会計 会計した日に計算/回収した日に計算 回収できなかったときの扱いを先に決める

指名・売上・ドリンク・ボトルの計算例

ここでは、1人のキャストのある日の営業を例に、4つのバックを順に計算します。数字はすべて説明のための例です。

その日の営業(例)

  • 本指名2卓(それぞれ小計30,000円、指名料2,000円)、場内指名1件
  • 頂いたドリンク6杯(1杯1,500円)
  • 本指名の卓でボトル1本(20,000円)。ヘルプが1人付いていた

店のルール(例)

  • 本指名バック:1件1,000円、場内指名バック:1件500円
  • 売上バック:担当した卓の小計の10%(指名で付いた卓だけ)
  • ドリンクバック:1杯の30%
  • ボトルバック:ボトル代の10%を、メインとヘルプで2:1に分ける
バック 計算 金額
本指名 1,000円×2件 2,000円
場内指名 500円×1件 500円
売上 (30,000円+30,000円)×10% 6,000円
ドリンク 1,500円×6杯×30% 2,700円
ボトル(メイン分) 20,000円×10%=2,000円を2:1で分けたメイン分(端数はメインに寄せる) 1,334円
その日のバックの合計 12,534円

ここで1つ問題が出ます。売上バックの計算に、ドリンクやボトルの売上も入れるかどうかです。ドリンクバックとボトルバックを別に払っているのに、売上バックの元にもドリンク代とボトル代が入っていると、同じ売上に二重にバックを払うことになります。二重に払わないよう、売上バックの元からドリンクとボトルを外している店もあります。どちらにするかを決め、計算表やシステムの設定に書いておきましょう。

値引きや売掛があった会計は、どう計算する?

値引きや売掛(ツケ)があった会計は、バックの計算で迷いやすい場面です。値引きの前の金額で計算するのか後で計算するのか、売掛は会計した日に計算するのか回収した日に計算するのかを、例を使って決めておきましょう。

値引きの例(数字は例):小計30,000円の卓で、店の判断で3,000円を値引きした場合。

計算の元 売上バック10% 向いている考え方
値引き前の30,000円 3,000円 値引きは店の判断なので、キャストの取り分は減らさない
値引き後の27,000円 2,700円 お店に実際に入ったお金にだけバックを払う

キャストの判断でお客様に値引きを約束した場合と、店の判断で値引きした場合で、扱いを分けるお店もあります。どの場合でも、値引きを誰が決めたかが記録に残っていれば、あとから計算を確かめられます。

売掛の例:小計50,000円の会計を売掛にし、翌月に回収した場合。

計算の時期 良いところ 気をつけること
会計した日に計算する キャストの売上の数字がその日に確定する 回収できなかったとき、払ったバックをどうするかを決めておく
回収した日に計算する 店が受け取ったお金にだけバックを払える 回収までキャストのバックが確定しない

売掛はお客様との信頼の上に成り立つものですが、回収できないこともあります。回収できなかったときにバックを差し引くのかどうかは、キャストにとって大きな問題です。入店のときに書面で説明しておくことが欠かせません。

★キャストを雇用している場合は注意が要ります。いったん払った給与から、売掛が回収できなかったことや値引きを理由に後から差し引くことには、労働基準法の賃金の支払い(全額払い)や損害賠償の予定の決まりとの関係で、法律上の制限があります。「回収できなかったら差し引く」「値引きした分はキャストの負担」といったルールを作る前に、社会保険労務士に確認してください。業務の委託として報酬を払っている場合も、契約の内容しだいで扱いが変わります。

ヘルプや複数指名は、どう分ける?端数は?

ヘルプや複数指名があるときは、「誰と誰で、どの比率で、端数をどちらに寄せるか」を決めておきます。分け方を決めていないと、締めのたびに店長がその場で判断することになり、日によって計算が変わってしまいます。

分け方は、大きく3つです。

分け方 中身 向いている店
メインだけ ボトルなどのバックはメインのキャストだけに付ける ヘルプには時給だけで報いる店
均等 付いたキャストの人数で等しく分ける ヘルプの貢献も同じように評価したい店
比率 メイン2:ヘルプ1のように比率で分ける メインを厚くしつつ、ヘルプにも報いたい店

上の例のボトルバック2,000円を2:1で分けると、メイン1,333.33…円、ヘルプ666.66…円になり、1円未満が残ります。端数をメインに寄せるのか、切り捨てるのかを決めておかないと、合計がボトルバックの2,000円と合わなくなります。たとえば「1円未満は切り捨て、余った1円はメインに足す」と決めれば、メイン1,334円・ヘルプ666円で、合計は必ず2,000円にそろいます。上の計算例も、この決め方で出しています。

本指名が2人付いた卓(複数指名)の売上バックも同じです。卓の売上を人数で割ってから率を掛けるのか、それぞれが卓の売上全体に率を掛けるのかで、店が払う総額が変わります。後者は店の負担が重くなるため、人数で割ると決めている店もあります。

スライド制は、どう計算する?

スライド制は、月や半月の売上・本数に応じて、バックの率や時給が段階的に上がる仕組みです。計算で一番迷うのは、段階を超えたときに**売上全体に新しい率を掛ける(さかのぼり)**のか、**超えた分にだけ新しい率を掛ける(超えた分だけ)**のかです。

仮に、月の指名売上に次の段階があるとします。

月の指名売上 率
50万円未満 5%
50万円以上 8%

月の指名売上が650,000円だった場合、2つの計算は次のようになります。

計算の仕方 計算 バック
さかのぼり(全体に新しい率) 650,000円×8% 52,000円
超えた分だけ 500,000円×5%+150,000円×8% 37,000円

同じ売上でも15,000円の差が出ます。さかのぼりは、段階の境目を超えたときの増え方が大きいため、キャストの目標になりやすい反面、店の負担も大きくなります。超えた分だけの計算は、店の負担が読みやすい反面、境目を超えたときのうれしさは小さくなります。どちらにするかは店の方針ですが、どちらの計算かをキャストに説明していないと、月末に必ず問い合わせが来ます。

時給が段階で変わるスライド制(ポイント制)では、もう1つ「いつから新しい時給にするか」も決めます。今月の成績で今月の時給を変えるのか、来月から変えるのかです。今月の時給をさかのぼって変えると、日払いで先に渡した額との差を月末に精算する必要が出てくるため、来月から変える店もあります。

ポイント制の時給を、例で見てみます(数字は例)。

指名の種類 ポイント
本指名 1件3ポイント
同伴 1件2ポイント
場内指名 1件1ポイント
月のポイント 翌月の時給
0〜19ポイント 2,500円
20〜39ポイント 3,000円
40ポイント以上 3,500円

ある月に本指名6件・同伴2件・場内指名3件なら、6×3+2×2+3×1=25ポイントで、翌月の時給は3,000円になります。ポイントの付け方が単純なほど、キャストが自分で数えられるので、目標として働きやすくなります。

日給保証や時給とは、どう組み合わせる?

バックを時給と組み合わせるときは、「時給+バック」と足すのか、「日給保証とバックの高いほう」を払うのかを決めます。保証がある場合は、保証の期間(体験入店の数日間・入店から1か月など)も決めておきます。

組み合わせ 計算 例
時給+バック 時給×働いた時間+その日のバック 2,500円×6時間+12,534円=27,534円
日給保証とバックの高いほう 日給保証とバックを比べて高いほう 保証15,000円、バック12,534円→15,000円
時給(スライド)+バック 段階で決まった時給×時間+バック 時給がポイントで決まる店

保証は入店したばかりのキャストに安心して働いてもらうための仕組みですが、期間を決めずに続けると、バックを伸ばす動機が弱くなります。保証の期間と、保証が切れたあとの条件を入店のときに書面で伝えておきましょう。

キャストを雇用している場合は、時給について地域別の最低賃金のルールがあります。都道府県ごとの金額は厚生労働省のページで確かめられます。また、給与から雑費などを差し引く場合にも、労働に関する法律の決まりがあります。雇用か業務の委託かで扱いが変わるため、社会保険労務士や顧問の税理士に確かめてください。

月末の給与まで、どう流れる?

バックは毎日の営業で発生し、月末(または半月・週)の給与でまとめて支払います。毎日の記録と月末の給与を同じデータでつなぐと、書き写しによるずれが起きません。

  1. 営業中:会計のたびに、指名・同伴・ヘルプ・ドリンク・ボトルがどのキャストに付いたかを記録する
  2. 閉店後の締め:その日のキャストごとのバックを確定する。日払いを渡したら、その額を記録する
  3. 月末(給与の区切り):日ごとのバックと時給を合計し、スライド制や本数の加算を計算する
  4. 差し引き:日払いで先に渡した額、源泉徴収する税額などを差し引く
  5. 明細を渡す:種類ごとのバック・時給・加算・差し引きを並べた明細をキャストに渡す

4の源泉徴収は、キャストに報酬として払っている場合に必要です。計算の仕方は「ホステス報酬の源泉徴収の計算方法」で解説しています。

**2の「その日のうちに確定する」**が、月末を楽にする一番のポイントです。1か月分の伝票を月末にまとめて計算しようとすると、記憶があいまいなヘルプや指名の付け方を思い出すところから始めることになります。

イベントの期間だけのバックは、どう扱う?

バースデーや周年、新人の売上の競争など、期間を区切ったイベントで特別なバックを付けるお店もあります。期間限定のルールは、始まりと終わり、対象のキャスト、通常のバックとの関係の3つを決めてから始めてください。

決めること 例 決めていないと起きること
期間 10月1日の営業から10月31日の営業まで 終わったはずのバックが翌月も付き続ける
対象 入店3か月以内のキャストだけ 誰が対象かで締めのたびに迷う
通常のバックとの関係 通常のバックに上乗せ/通常のバックの代わり 二重に払う、または少なく払う
締めの扱い イベントの分は月末にまとめて加算 日払いとの差し引きがずれる

イベントのバックは、終わった後に通常のルールへ戻し忘れるのが一番多い間違いです。終わりの日を、始める前に決めて書いておくだけで防げます。システムや表計算で管理している場合は、期間を設定できる形にしておくと、戻し忘れが起きません。

毎日の締めで、何を確かめればいい?

バックの計算を月末に慌てないためには、毎日の締めで数分の確認を続けるのが近道です。確かめるのは、指名の付け方、ヘルプ、日払いの3つです。

  1. 指名の付け方:本指名・場内指名・同伴が、正しいキャストに付いているかを伝票と見比べる
  2. ヘルプ:ボトルが入った卓のヘルプが記録されているかを確かめる
  3. 日払い:その日に渡した日払いの額が、キャストごとに記録されているかを確かめる
  4. 合計:その日のバックの合計が、いつもの日と比べて極端に多い・少ないキャストがいないかを見る

確認は、その日の締めを担当した人とは別の人が行うと、思い込みによる見落としが減ります。

4の「いつもと比べる」は、入力の間違いを見つけるのに役立ちます。指名の付け先を1つ間違えると、2人のキャストのバックが同時にずれるため、普段と違う数字としてすぐに目に付きます。

バックの決め方は、お店の利益に見合っている?

バックのルールを決めたら、月の売上に対してキャストに払う総額がどのくらいになるかを確かめてください。1件ごとのバックは小さく見えても、種類を重ねると、売上に対する支払いの割合が思ったより大きくなっていることがあります。

確かめ方は単純です。月の数字を次のように並べます(数字は例)。

項目 金額 売上に対する割合
月の売上(サービス料込み) 3,000,000円 —
キャストの時給の合計 750,000円 25%
キャストのバックの合計 450,000円 15%
キャストへの支払いの合計 1,200,000円 40%

この割合を毎月同じ形で見ていると、ルールを変えたときにお店の負担がどう動いたかがすぐに分かります。たとえばドリンクバックの率を上げた月に、ドリンクの杯数が増えて売上も伸びたのか、杯数は変わらず支払いだけが増えたのかを見分けられます。

割合の良し悪しには決まった基準はなく、家賃や仕入れ、黒服の人件費などとの兼ね合いで決まります。大事なのは、バックのルールを「キャストの反応」だけでなく「お店の数字」でも確かめる習慣を持つことです。キャストごとの売上と支払いを並べて見ると、どのバックが売上につながっているかも見えてきます。

計算ミスが起きるのはなぜ?どう防ぐ?

バックの計算ミスは、ルールがあいまいなこと、書き写しが多いこと、計算できる人が限られていることの3つから起きます。計算を速くするより、誰がやっても同じ答えになる仕組みを作るほうが、ミスは減ります。

ミスの原因 よくある場面 防ぎ方
ルールがあいまい 小計かサービス料込みか、人によって違う 計算の元・率・端数の扱いを1枚の紙に書いて全員で共有する
書き写しが多い 伝票から表計算へ手で打ち直す 会計のときにキャストを記録し、そのまま計算に使う
計算できる人が限られる 店長が休むと締めが止まる 計算の手順を書き出し、2人以上ができるようにする
例外の口約束 「この子だけ率が違う」が記録に無い 個別の条件も書面に残し、計算表や設定に入れる
途中の変更 月の途中でルールを変え、計算が分かれる 締めの区切りから変える
二重のバック 売上バックの元にボトル代も入っている 売上バックの元から外すものを決めておく

表計算でバックを管理しているお店では、計算式が入ったセルを誰かが上書きしてしまい、気づかないまま数か月が過ぎることもあります。計算式を触れる人を限る、毎月1人分を手で計算して照らし合わせる、という2つの習慣だけでも、大きなミスは防げます。

バックのルールを決めるときのチェックリスト

新しくバックのルールを決めるとき、または今のルールを見直すときは、次の項目に1つずつ答えを書いてください。全部に答えが書ければ、誰が計算しても同じ金額になるルールになっています。

  • 指名バックは、本指名・場内指名・同伴でいくらか(固定額か、指名料の割合か)
  • 売上バックの元は、小計か、サービス料込みか
  • 売上バックの元から、ドリンク・ボトルを外すか
  • ドリンクバック・ボトルバックは、売値に掛けるか、原価を引いた額に掛けるか
  • ヘルプ・複数指名は、メインだけか、均等か、比率か。端数はどちらに寄せるか
  • スライド制は、さかのぼりか、超えた分だけか。新しい率はいつから使うか
  • 日給保証は、いくらで、いつまでか
  • 値引き・売掛の会計は、いつの売上としてバックを計算するか
  • 日払いは、月末の給与からどう差し引くか
  • ルールを変えるときは、いつから、どう知らせるか

書き上げたルールは、キャストにも同じものを渡しておきましょう。伝えるときは、次の3つをそろえると、入店した後の行き違いが減ります。

  1. ルールの紙:上のチェックリストの答えを、キャストが読む言葉で1〜2枚にまとめる
  2. 計算の例:その店で実際によくある1日(指名2件・ドリンク6杯など)を例に、明細の形で計算してみせる
  3. 変えるときの知らせ方:ルールを変えるときは、いつから、何が変わるかを事前に書面で知らせると約束する

特に2の計算の例は効果があります。率だけを伝えても、キャストは自分の1日がいくらになるのかを想像できません。明細の形で1日分を見せると、どこにいくら付くのかが一度で伝わり、月末の問い合わせが減ります。店とキャストが同じ紙を見ていることが、月末の行き違いを減らす一番の近道です。

ポッキリ.Nightの場合

株式会社KOKUの「ポッキリ.Night」は、お店のバックのルールを設定し、営業日の数字から自動で計算する売上管理システムです。

  • 固定額、指名売上の割合、商品ごとの割合、ボトルの分け方、セットや延長のバック、スライド式、時給とバックの組み合わせなど、11パターンの計算方式を組み合わせて、お店のルールを設定できます
  • 営業日の数字から、キャストごとの報酬と給与明細が作られます(控除・加算に対応)
  • 出退勤の打刻と勤怠の記録も同じシステムで行い、勤怠データはCSVで書き出せます

お店のバックのルールをそのまま再現できるかは、オンラインのご相談で、今お使いの計算表やルールの紙を見ながら確かめます。料金は料金をご覧ください。POSレジ全体の選び方は「キャバクラのPOSレジの選び方」にまとめています。

まとめ

キャバクラのバックの計算は、次の順で整えると、誰が計算しても同じ金額になります。

  1. 使っているバックの種類(指名・売上・ドリンク・ボトル・ヘルプ・スライド・保証)を書き出す
  2. 計算の元(小計かサービス料込みか、原価を引くか)を1つに決める
  3. ヘルプ・複数指名の分け方と、端数の寄せ方を決める
  4. スライド制の計算(さかのぼりか超えた分だけか)と、適用の時期を決める
  5. その日のうちに確定し、月末は日払いと源泉徴収を差し引いて明細を渡す

ルールが決まっていれば、計算は人でも表計算でもシステムでも同じ答えになります。まずは今のルールを1枚の紙に書き出すところから始めてみてください。

出典

よくある質問

バックの率は、どのくらいが一般的ですか?

率は地域・業態・客単価・時給の高さで大きく変わり、決まった相場はありません。時給を高くしてバックを抑える店もあれば、時給を抑えてバックを厚くする店もあります。近くの求人の条件と、店の利益の両方を見て決めてください。

バックの計算に使う売上は、税抜きと税込みのどちらですか?

決まりはなく、お店が決めます。消費税はお客様から預かって国に納めるお金なので、税抜きの金額で計算している店もあります。どちらにするかを決めて、計算の元と同じように紙に書いておきましょう。

キャストから「バックの計算が合わない」と言われたら?

その日の伝票と、バックの計算の元(小計か、サービス料込みか)、適用した率を1件ずつ見せて確かめます。計算の過程を見せられる仕組みにしておくと、言った言わないの行き違いが減ります。

ヘルプのキャストにもバックは必要ですか?

必ず付けなければならない決まりはありませんが、ヘルプにも付けている店もあります。付けるなら、元のバックの何割か、ボトルをどう分けるかを先に決めておくと、締めのときに迷いません。

辞めたキャストの最後の月のバックは、どう扱えばいいですか?

辞めた日までの営業日の数字で計算し、日払いで先に渡した分を差し引いて精算します。雇用している場合は、辞めたときの支払いにも法律の決まりがあるため、社会保険労務士に確認してください。

表計算でバックを計算していますが、限界はありますか?

キャストが少なく、ルールが単純なうちは表計算でも回ります。ルールの種類が増える、ヘルプや複数指名の分け方がある、店舗が増える、といった段階で、書き写しと計算式の管理が重くなります。

この記事を書いた会社

株式会社KOKUは、夜のお店向けの売上管理システム「ポッキリ.Night」を開発・提供している会社です(法人番号 3020001167569・神奈川県横浜市)。